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韓国でスタッフを雇う予定がある、韓国で働くことを考えている、韓国の取引先の人件費の動きを知りたい――。そんなときに押さえておきたいのが、韓国の最低賃金です。2027年に適用される韓国の最低賃金は、2026年8月に正式に決まりました。
この記事では、韓国の雇用労働部の告示「2027年適用最低賃金告示」(雇用労働部告示第2026-60号)、雇用労働部の報道資料「2027年度適用最低賃金時間給10,700ウォン」(2026年8月5日)、最低賃金委員会の「年度別最低賃金決定現況」をもとに、2027年の韓国の最低賃金を5つのポイントにまとめます。韓国語の資料の日本語は、この記事での訳です。後半の、ビジネスで確認しておきたい点は、この記事の提案です。
※この記事は制度の概要を紹介するもので、個別の賃金の計算や法的な判断を示すものではありません。円換算はしていません。具体的な取り扱いは、韓国の雇用労働部や専門家などに確かめてください。
韓国の最低賃金とは
最低賃金法にもとづく告示
2027年の最低賃金は、韓国の「最低賃金法」第10条第1項にもとづき、雇用労働部長官が告示したものです。告示の日付は2026年8月5日です。
決まるまでの流れ
最低賃金委員会の決定現況によると、2027年適用の最低賃金は、2026年7月14日に審議・議決され、2026年8月5日に決定告示されました。雇用労働部の報道資料では、7月16日に最低賃金案を告示したあと、7月27日まで異議申し立て期間を設け、民主労総と小商工人連合会が異議を申し立てたものの、受け入れなかったと説明されています。
2027年の韓国の最低賃金を知る5つのポイント
ここでは、雇用労働部の告示と報道資料、最低賃金委員会の資料から、押さえておきたい点を5つにまとめます。
1. 時間給は10,700ウォン
2027年に適用される最低賃金は、時間給10,700ウォンです。告示では、すべての産業に適用される金額として示されています。
2. 2026年より380ウォン(3.7%)の引き上げ
雇用労働部の報道資料では、2026年に適用される最低賃金の時間給10,320ウォンより、380ウォン(3.7%)引き上げられた金額だと説明されています。
3. 月換算額は2,236,300ウォン
告示では、月換算額は2,236,300ウォンとされています。これは、週の所定労働時間40時間で働いた場合の、月換算の基準時間数209時間(週あたりの有給の週休8時間を含む)にもとづく金額です。
4. 業種による区分はない
告示では、事業の種類による区分はなく、すべての事業場に同じように適用され、請負制の労働者についても別の最低賃金を適用しないとされています。
5. 適用期間は2027年1月1日から12月31日
告示では、最低賃金の適用期間は2027年1月1日から2027年12月31日までとされています。
5つのポイントの早見表
| ポイント | 告示・報道資料の内容 |
|---|---|
| 時間給 | 10,700ウォン |
| 引き上げ幅 | 2026年の10,320ウォンから380ウォン(3.7%) |
| 月換算額 | 2,236,300ウォン(月209時間基準) |
| 業種による区分 | なし。全事業場に同じように適用、請負制労働者にも別適用なし |
| 適用期間 | 2027年1月1日〜12月31日 |
表の内容は、雇用労働部の告示と報道資料をこの記事でまとめたものです。
最近の最低賃金の推移
年度別の決定現況
最低賃金委員会の「年度別最低賃金決定現況」から、2020年以降の金額をまとめます。
| 適用年 | 時間給(ウォン) | 日給(8時間基準) | 月給(209時間基準) | 引き上げ率(引き上げ額) |
|---|---|---|---|---|
| 2027年 | 10,700 | 85,600 | 2,236,300 | 3.7%(380) |
| 2026年 | 10,320 | 82,560 | 2,156,880 | 2.9%(290) |
| 2025年 | 10,030 | 80,240 | 2,096,270 | 1.7%(170) |
| 2024年 | 9,860 | 78,880 | 2,060,740 | 2.5%(240) |
| 2023年 | 9,620 | 76,960 | 2,010,580 | 5.0%(460) |
| 2022年 | 9,160 | 73,280 | 1,914,440 | 5.05%(440) |
| 2021年 | 8,720 | 69,760 | 1,822,480 | 1.5%(130) |
| 2020年 | 8,590 | 68,720 | 1,795,310 | 2.87%(240) |
数値は、最低賃金委員会の「年度別最低賃金決定現況」にもとづきます。
2010年代後半の動き
同じ資料から、2015年から2019年までの金額も見てみます。
| 適用年 | 時間給(ウォン) | 引き上げ率(引き上げ額) |
|---|---|---|
| 2019年 | 8,350 | 10.9%(820) |
| 2018年 | 7,530 | 16.4%(1,060) |
| 2017年 | 6,470 | 7.3%(440) |
| 2016年 | 6,030 | 8.1%(450) |
| 2015年 | 5,580 | 7.1%(370) |
2018年と2019年は引き上げ率が10%を超えていました。一方、2020年以降は、2022年と2023年の5%前後をのぞき、1〜3%台の引き上げが続いています。引き上げ率は年によって大きく異なるため、過去の推移から将来の金額を見通すことはできません。
1万ウォンを超えたのは2025年から
表を見ると、時間給が1万ウォンを超えたのは2025年適用の10,030ウォンからです。2027年の10,700ウォンは、2020年の8,590ウォンと比べると2,110ウォン高い金額です。
審議・議決と告示の日付
| 適用年 | 審議・議決日 | 決定告示日 |
|---|---|---|
| 2027年 | 2026年7月14日 | 2026年8月5日 |
| 2026年 | 2025年7月10日 | 2025年8月5日 |
| 2025年 | 2024年7月12日 | 2024年8月5日 |
| 2024年 | 2023年7月19日 | 2023年8月4日 |
最近は、7月に審議・議決され、8月上旬に告示される流れが続いています。今後の日程は、最低賃金委員会や雇用労働部の発表で確かめてください。
月換算額の計算のしくみ
209時間とは
告示では、月換算の基準時間数209時間は、週の所定労働時間40時間で働いた場合のもので、週あたりの有給の週休8時間を含むと説明されています。
計算してみる
時間給10,700ウォンに209時間をかけると、2,236,300ウォンになります。告示の月換算額と一致します。また、日給(8時間基準)は10,700ウォン×8時間で85,600ウォンです。
| 項目 | 計算 | 金額(ウォン) |
|---|---|---|
| 日給(8時間) | 10,700×8 | 85,600 |
| 月換算額(209時間) | 10,700×209 | 2,236,300 |
計算は、告示と最低賃金委員会の資料の数値をもとに、この記事で確かめたものです。
ビジネスで確認しておきたいこと
ここからは、雇用労働部の告示と報道資料をもとにした、この記事の提案です。
告示の原文を手元に置く
告示や報道資料は韓国語で公開されています。社内で共有するときは、告示番号(雇用労働部告示第2026-60号)や告示日(2026年8月5日)もあわせて記録しておくと、あとで原文をたどりやすくなります。
2027年の人件費の見積もりを見直す
韓国でアルバイトやスタッフを雇っている場合は、2027年1月1日から時間給10,700ウォンが適用されることを前提に、人件費の見積もりを見直しておくと安心です。
前年との差を社内で共有する
2026年の10,320ウォンから2027年の10,700ウォンへの変更点を、表などにまとめて社内で共有しておくと、現地の担当者とのやりとりがスムーズになります。日給や月換算額もあわせて並べておくと、時給で働く人と月給で働く人の両方の確認に使えます。
業種で金額が変わらない点を押さえる
告示では、業種による区分はなく、すべての事業場に同じ金額が適用されるとされています。業種ごとに違う金額を想定しないよう注意しましょう。
2026年中の準備を確かめる
2027年1月1日の適用開始に向けて、給与システムの設定や雇用契約書の金額、求人広告に記載している時給などを、年内に見直しておくとあわてずにすみます。どの書類や仕組みに最低賃金が関わっているのかを、一覧にしておくのもおすすめです。
月換算額の前提を確かめる
月換算額2,236,300ウォンは、週40時間、月209時間を前提にした金額です。実際の労働時間や手当の扱いによって計算は変わるため、具体的な賃金の設計は、現地の専門家などに確かめてください。
雇用労働部の案内をチェックする
雇用労働部の報道資料では、最低賃金が現場で守られるよう、広報・案内や事業場の指導・監督などを進める計画だと説明されています。今後の案内は雇用労働部のウェブサイトで確かめましょう。
韓国の最低賃金のよくある質問
月換算額の209時間とは?
週の所定労働時間40時間で働いた場合の月換算の基準時間数で、週あたりの有給の週休8時間を含むと告示で説明されています。
請負制の労働者は?
告示では、請負制の労働者に対して別の最低賃金を適用しないとされています。
誰が決めて、いつ告示された?
最低賃金委員会が2026年7月14日に審議・議決し、雇用労働部長官が2026年8月5日に告示しました。
2027年の韓国の最低賃金はいくら?
時間給10,700ウォンです。月換算額は2,236,300ウォン(月209時間基準)です。
2026年と比べてどれくらい上がった?
2026年の10,320ウォンから380ウォン、3.7%の引き上げです。
業種によって違う?
告示では、事業の種類による区分はなく、すべての事業場に同じように適用されるとされています。
いつから適用される?
2027年1月1日から2027年12月31日までです。
韓国の最低賃金を知ってビジネスに備えよう
2027年に適用される韓国の最低賃金は時間給10,700ウォンで、2026年の10,320ウォンから380ウォン(3.7%)の引き上げです。月換算額は2,236,300ウォン(月209時間基準)で、業種による区分はなく、2027年1月1日から12月31日まで適用されます。韓国でのビジネスや採用を考えている人は、雇用労働部の告示を確かめながら準備を進めましょう。